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─記事の内容─
巨大流氷 南大西洋を北上中
神奈川県上回る大きさ
まるで動く島 来年中にはアフリカへ
【ワシントン七日=村上特派員】米海軍艦隊測候所が観測史上最大の流氷として七一年以来、動きを追ってきた総面積約約二千九百平方キロ、神奈川県や佐賀県よりひと回り大きい巨大な氷山がついに南極大陸から離れて流れだし、大西洋の南方海域へ北上した。このため、国際船舶放送は付近を航行する船舶に警告を開始した。
米国防総省海洋地図センター、海軍測候所などが七日明らかにしたところによると、この氷山は同日現在の衛星写真で南緯四八度一二分、西経二四度の海域にある。
氷山の長さは最長八十三キロ、最大幅が四十七キロ、平均幅は約三十五キロ。水面からの高さ約三十メートルで、水面下に約二百メートル沈んでいる。南米大陸とアフリカの中間地点よりやや南米寄り、英領サウス・ジョージア島の北北東約千キロにあって一日六ー十キロの速度でゆっくりと東北東の方向に漂流を続けているという。
「流氷」として公式に確認されたのは七年前の一九七一年。その後の調査で六七年ごろに南極大陸のプリンセス・マーサ海岸付近から分裂して漂流をはじめ、三年前の夏、同大陸のラーセン氷壁に激突。あまりにも巨大なため、衝突の勢いでさらに別の氷塊をもぎ取り、漂流を始めたもの。もぎ取られて流れだした氷塊自体も大きさは長さ約六十キロ、幅二十キロで、第二の流氷として現在、南緯六三度三〇分、西経五二度を漂流中。
南大西洋に進出してきた氷山はこのまま進めば今後十ヶ月ないし一年間でアフリカ大陸ケープタウン沖合に到達すると推測されている。昨年一月にパーマー半島から本格的な北上を開始して以来、一年半の間に三千キロも漂流したことになる。サウス・シェトランド諸島をくぐり抜け、サウス・ジョージア島の西方わずか百五十キロの沖合をかすめ、低い水温(現場付近で摂氏四度)に助けられて、巨大なずうたいはいささかも小さくなってはないという。
衛星写真でみると、サウス・ジョージア島とほぼ同じ大きさ。「南大西洋に“動く島”が出現した感じ」(米当局者)というこの氷山。航行に危険でも打つ手はなく、関係者が気をもむ中を、純白の巨体はゆう然と漂流を続けている。
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