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─記事の内容─
トキ二羽つかまえた!! みごとに無傷 種の保存作戦
世界中で新潟県・佐渡島にしか生息していない国際保護鳥、特別天然記念物トキの「種の保存」をはかるため、全鳥保護・人工増殖作戦を進めている環境庁は十一日午後、五羽のうち二羽の捕獲に成功した。オス、メスのつがいとみられ、いずれもけがもなく元気で、同島新穂村にある県トキ保護センターに収容された。六日から始まった背水の陣の二次作戦が成功、残る三羽についても引き続き捕獲作業を続けている。
トキが捕獲されたのは、両津市片野尾地区の湿田。同地区の大平山をねぐらにしているトキは、冬でも積雪がとけるこの湿田をエサ場に越冬する。環境庁の委託を受けた山階鳥類研究所の七人の捕獲班は、ここにトキの好物のドジョウをまき、ロケットネット三基を仕掛け、トキが来たらロケットを発射、五羽を一網打尽にするため近くの監視小屋で連日、早朝から夕方まで待ち構えていた。
十一日は積雪一0センチ。時折、吹雪まじり。トキは午前十時二十七分、五羽そろってエサ場に飛来。午後一時十分、そのうち二羽がロケットネットの射程内に入った。捕獲班がトランシーバーで連絡しながら、スイッチを入れると、「ドカーン」という大音響とともに、二羽がネットに入った。「コウコウ」と鳴きながらも、あまり暴れなかった。
ネットから木綿の袋に入れられ、輸送箱に。輸送班のジープで県トキ保護センターに向かい、午後三時半、無事にフライングケージに入った。残りの三羽はロケットの大音響にもあまり驚いた様子はなかったが、飛び去った。捕獲班は捕獲待機態勢を続けた。
中村廉・環境庁鳥獣保護課長の話 五羽の一斉捕獲が理想だったが、二羽の無事保護は、作戦の第一段階として成功だった。捕まえた二羽が、オス、メスのつがいかどうかは、飼育して落ちついてから血液検査しなければ分からない。判明するのは二、三ヶ月先になる。トキの成鳥を捕獲しての人工増殖は世界で初めてで、エサなど技術的な問題は多い。今春にもすぐ産卵といった期待はもてない。二、三年かけて、専門家の意見を尊重しながらじっくりやっていきたい。
トキ 体長八〇センチたらずの水鳥。曲がった長いくちばしを持ち、顔と脚は赤色、羽は淡紅色、美しいトキ色をしている。学名を「ニッポニア・ニッポン」。人間と同じ一族一種。かつては全国にいたが、明治以降の乱獲で激減し、本土では石川県能登半島の一羽を最後に昭和四十五年に姿を消した。佐渡でも戦前は百羽ほどもいたのが減少の一途をたどり、三十年代以後は四十七年の十二羽が最高。一昨年から五羽にまで減っていた。
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